わにの日々 - 大都会編 | ロサンゼルス

わにの日々 - 大都会編
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2010年07月24日(Sat) AM 00時00分
言語と文化
 実は昨日は、若息子の12歳のお誕生日でした。昨日は家でささやかにお祝いをしただけなので、今夜は家族で外食しました。若息子のリクエストは、ハーバー沿いにある全国チェーン展開のお店「チーズケーキ・ファクトリー」です。去年末に、ボートパレードを見るために行ったきりでしたが、様々なフレーバーのチーズケーキに目移りしていたので、この機会を狙っていた模様。でも、カリフォルニア州の新しい州令で、レストランのメニューにカロリーを表示しなければならなくなったので、各フレーバーのチーズケーキ一切れのカロリーにガクブル。一番カロリーが低いのが「オリジナル」で710cal、転倒に出ていた中で一番高カロリーのチョコレートタワーとなると1680calと、かなりオソロシイ

 カロリー表示に恐れを成した母はケーキをパスしてしまいましたが、お料理もカクテルも安定した味で美味しかったし、ハーバーに沈む夕日もとても綺麗で、楽しい夜を過ごすことが出来ました。

harber1.jpg
日没後のハーバー


 ところで、今朝のウォール・ストリート・ジャーナルに、とても興味深い記事が出ていました。「言葉は文化に影響するか?(Does Language Influence Culture?)」がそれですが、私はこの記事を読んで、先日の日本企業の英語公用化に関して、色々と考えてしまいました。

 例えば、アメリカで一番よく使われるトイレを意味する言葉は、"bathroom"ですが、これはお風呂にはトイレが付きものだから。日本人的に、お風呂場=トイレってのは、なかなかにウゲーもんですが、アメリカじゃデフォ。だから、風呂桶もシャワーもない個室でも、バスルームと呼ばれます。不動産でハーフバス(1/2BR)とは、このトイレと洗面所だけの部屋。公共の場では、"Ladies' Room”ともいいますが、公衆トイレには実際、お化粧直しや、ちょっと休憩のための小部屋が付いていることが多い。なぜか、"Gentlemen's room”はありません。男性用の公衆トイレに、同じような小部屋が付いているかどうかは、私は入ったこと無いんで知りません。カナダでは”washroom"の方がよく使われるそうですが、これは正に「お手洗い」と同じ感覚でしょう。

 そんな風に、トイレ一つ取っても、言葉に文化や慣習の一つが垣間見れるのですから、思考の殻を成す言語全体となると、文化に影響居ないはずはないですよね。この記事の中で紹介されている例として、うっかり花瓶を落として割るビデオを見た後、英語を主言語とする人が、誰が過敏を落としたのかを明確に覚えているのに対し、日本語とスペイン語を主言語とする人々は、花瓶が割れたという事実は印象深く残っていても、誰が落としたのかは覚えていなかった人が多かったそうです。スペイン語のことは判りませんが(スペイン語に詳しい方がおられたら助けてね)、日本語では:
  花瓶が割れた
または、主語を省略して
  花瓶を割った
という表現が可能であり、いちいち
   画面に現れた人物は花瓶を割った
と考えるよりも先に、落ちて派手に砕け散った花瓶が印象の主体に成り得るのです。

 一方、英語では、勝手に自分で砕ける花瓶というのは文法的に有りえません。
   The vase was broken.
と、受動態にするか、より簡潔に
   He broke the vase.
となって、あくまでも主体は、花瓶を割った誰か、なのです。英語の、The vase broken itself.(花瓶が勝手に割れた)では、まるでオカルトで、このような場合にふさわしい表現ではありません。この場合ですら、上の文章での印象は、眼に見えない何かによって割られた、というニュアンスであり、幽霊だか超常現象によって割られたんであって、花瓶は自殺しないのが大前提。

 だから英語を主言語とする人は、誰が割ったかを無意識のうちに意識し、一方で日本語・スペイン語を主言語を釣る人は割れたという事象だけが印象に残る。つまり、言語は、主観にすら影響するものなのです。国際化のため会社の公用語を英語にしましょう、なんて軽々しく言い出す前に、本当の国際化とは「アイデアや思考体系の英語化」なのかどうかを、ちょっと考えてみて欲しいよね。日本の「未来を生きてる」と言われるユニークさは、この言語的なユニークさによるものもあるとすれば…企業として、英語化によって欧米と同一化して、それでもいいの?(私がオーナーだったら、むしろ社員の英語教育よか、俳句教室に投資したいかも)


しかし息子が食べ残してお持ち帰りしたケーキの誘惑が…orz

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